美学を表現するペンケース

美学を表現するペンケース
美学を表現するペンケース

昨年末からオマスパラゴンの万年筆を使っていて、大変気に入っています。
4年前にオマス本社を訪ねた時、CEOのブライアン・リー氏がパラゴンは、モンブラン149をライバルとしていると言っていました。
その言葉から、オマスのモンブランへの強いライバル心を感じ、それを私は好意的に聞いていました。
世界を二分しているグループLVMH傘下の万年筆メーカーとして、リシュモングループの一員であるモンブランに対抗意識を持っているというつまらない理由ではなく、伝説的な万年筆149を唯一のライバルとする世界に誇ることができるものだという自信をその言葉から感じ取ったからです。

パラゴンを私の全ての用途、手帳から手紙、日常でも旅先でもぜひ使いたいと思いました。
元々大きなものが好きで、私にとって大きいというだけで敬意を持つべき存在に思えます。万年筆も大きなものの方が外観も、実用的にも気に入ることが多く、小さな万年筆に勝手な不満を感じている。
特に手紙を書く時など、小さな万年筆だとその重量などに不満を持つことが多く、大型の万年筆が自分の用途には合っていると思っています。
大きく、堂々とした万年筆は、大太刀をイメージさせ、大太刀は複数本入るペンケースでなく、それ1本だけを収めるペンケースに入れて持ち歩きたいと思っています。
オマスパラゴンも、モンブラン149も、ペリカンM1000もオーバーサイズと言える大型の万年筆なので、入らないペンケースもたくさんありますが、ル・ボナーの1本差しのペンケースには入れることができます。
大型の大切な万年筆を収納するものは、張りのあるブッテーロ革2枚重ね構造の強固なこのペンケース以外にないのではないかと思うようになりました。
強度やサイズだけでなく、その素材であるブッテーロ革のパリッとし過ぎない適度な素材感も好きだし、エージングも美しい素材だと思っています。
正確にはエージングとは少し違っていて、美しく仕上げることができるという感覚に近いものなのかもしれません。

新品の状態では光を吸収するようなマットな表面ですが、柔らかいブラシで丹念に磨くと表面がキラキラしてきます。
以前、ル・ボナーの松本さんがブログで、ブッテーロの鞄を磨いて、とても美しいものにしたお客様の話をされていました。
その方はハンカチで優しくさするように手入れするのを習慣にされていて、輝くようなものにその鞄を仕上げておられました。
革を磨くのに力は必要ないというような、革の手入れを覚えるのにもこのペンケースは適しています。

ル・ボナーの松本さんが、ブログでも明かしていますが、張りのあるブッテーロ革の絞り加工を担当している職人さんが高齢ということもあって、引退することが決まっているそうです。
松本さんはもちろん代わりにやってくれる人を探していますが、今のところまだ見つかっていないようです。

このペンケースは当店の創業と同じ頃に世に出て、とても思い入れがあります。
良いものに有りがちな触るのも恐いような繊細さのない、素材もデザインも骨太な感じがするこのペンケース。
ル・ボナーの松本さんの美学によって作られたものだけど、私にモノの美学を教えてくれたものでもあります。
存在して当然の、当店でも定番中の定番のペンケース、いつまでも存続してほしいと思っています。

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