手紙を書く道具

手紙を書く道具
手紙を書く道具

有り難いことに手紙を書く機会が多い。
最近ではライフの来富という便箋をよく使っています。
来富はバンクペーパーというかなりしっかりした上質な便箋に向いた紙を使用していて、にじみがほとんどないのと、ペン先を置いた時に感じる「サクッ」という感触がとても好きで、なかなか他のものに替える気になれなくなっています。

ある時から、インクのにじまない紙に惹かれるようになりました。以前は自分の悪筆を誤魔化してくれるような紙ばかりを好んで使っていたけれど、それはもしかしたら私にとって悪筆を助長させる行為だったのかもしれません。
バンクペーパーはにじみは少ないけれどインクが伸びないわけではなく、書き味も良く、気持ちよく手紙を書かせてくれます。

私の固い頭ではタテ書きの手紙は黒インクというイメージが強くて、ほとんどの場合黒インクを使っています。今ほとんどの万年筆には当店のオリジナルインク冬枯れが入っている。
黒インクでも赤が目立つものや、緑や青がベースにあるようなものが結構ありますが、冬枯れは黒とグレーの中間くらいのあまり濃い黒ではないけれど、他の色が混じっていない、黒だけでできているところが気に入っています。
乾くと紙にスッと沈むような、少し薄めの黒なので、濃淡が出やすく、拙い文字に何となく勢いというか、魂を込めてくれる。
ページ全体が黒々とならないので、冬枯れは手帳にも使っているけれど、手紙もあまり黒すぎると目にうるさく感じられてしまうかも知れない。特にペリカンなどインク出が多いペンには冬枯れくらいがちょうどいいと、引っ込み思案な私はいつも思っています。

いつからか手紙に使う万年筆というものが決まってきました。
それまでどの万年筆でも気にせずに使っていたけれど、軽い万年筆ではタテ書きの便箋に上手く書けなくなってしまった。
ヨコ書きやノートでは気にならないのに不思議ですが、ある程度重量があって、太い万年筆の方が大きめの文字を書くタテ書きの便箋には合っているのかもしれません。
ペリカンM800、M1000、アウロラ88、パイロットカスタム743、カスタム823、パイロットシルバーン、プラチナブライヤーなど書くことにのみ存在価値があると言うと語弊があるけれど、書くことで真価を発揮する万年筆はやはり手紙を書くことにも向いていると、頭の固い私は思っています。

いざ書こうと、大きめの万年筆を構えて、ペン先を紙に「サクッ」と置く感じが私は好きです。
万年筆を使う用途が手紙だという人はそれほど多くないかもしれないけれど、ライフの便箋来富と冬枯れのインク、そして細字から中字の大きな万年筆は手紙を書くための最高の組み合わせだとお勧めしたいし、一人でも多くの人に、この道具たちで手紙を書きたいと思っています。

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⇒2011.9.23 ライフ紙製品見習うべき姿勢
⇒2011.9.16 黒インク

*前の記事 ⇒2017.2.3 辛口の紙に極細のペン