万年筆を真・行・草で考える

万年筆を真・行・草で考える
万年筆を真・行・草で考える

モノや設えの格式を表す「真・行・草」の中で、最も簡素で素材感のままの「草」に一番惹かれます。
真は格調高く、作り込まれた最も正式なモノの姿。行は真よりも少し用に向かって崩した格式と寛ぎのバランスの取れた姿。草は全てが自然のままに、手を加えていないように見えるモノの姿、しかしそのように見せるために最大の努力が払われている。

真・行・草に外出の服装を当てはめてみると、真は最も正式なトラディショナルなスーツスタイル。
行はブレザーにネクタイ。
草はノーネクタイにノーアイロンのシャツということになるのかもしれません。
服装に関しても、似合うかどうかは別として私は草に惹かれるけれど、万年筆を真・行・草に当てはめて考えるのも面白いと思いました。

それとそうすることで皆様の万年筆選びが少しはやりやすくなれば幸いです。
万年筆選びに正解などはなく、ご自分がどれを好きかということだけだと思っていますが、どれを好きになったらいいか分からないという声も聞かれ、たしかにそうだと思いました。

最も格調高く公の場で使っても気後れしないようなものが真の万年筆です。
これはボディが黒の樹脂で、金具が金色あるいは銀色のもので、モンブランが代表的なものですが、どのメーカーにも黒ボディ金金具のものはあって、公の場で使うものとしてある程度意識しているのかもしれません。
漆塗りの万年筆は、真の万年筆の究極で、パイロットカスタム845が最も真の万年筆だと思います。
⇒パイロットカスタム845
行はもう少しカジュアルなもの。ペリカンの縞模様などは程よく遊び心があって、行の代表的なもの。イタリアの万年筆メーカーのカラーレジンを使ってもののほとんどを行に入れたいと思います。

草の万年筆の条件として素材感が最も重要です。天然素材の質感、2本と同じもののない不揃い感などを備えていれば完全に草の万年筆だと私が胸を張って承認したいと思います。
木のボディで天然の素材を生かしたものは間違いなく草の万年筆で、これに金無垢やスターリングシルバーも仲間に加えたい。
真・行・草どれに惹かれるかは非常に感覚的で、好み、センスが分かれるところで、私はどうしても草の万年筆に惹かれてしまう。

ずっと素材感のあるものが好きで、飾り気がなく、手を入れていないように見せるために最大の努力が払われているものに肩入れしてしまいます。
工房楔と当店とのオリジナル企画のこしらえなどは、草の万年筆の最たるものだと誇らしく思っています。(⇒Pen and message.オリジナル銘木万年筆軸こしらえ

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