イタリアの掟~アウロラ88と限定品~

イタリアの掟~アウロラ88と限定品~
イタリアの掟~アウロラ88と限定品~

イタリア人は古くからあるものを生かしながら、そこに新しいものを融合させ価値のあるものにすることが得意な人たちなのだと、ペンだけでなく様々なものを見ていて思います。
伝統に新しい技術やデザインを盛り込んで生まれたものに共通する思想のようなものは、どこにでもあるものではない、それぞれのメーカーらしさを持った独自のものになっています。
イタリアには大きくなり過ぎることを戒める掟のようなものがあるのではないかと思えるほど、どのメーカーも自分の領分をわきまえているように私には思えて、大きくなって陳腐化することを避けているように見えます。
それが仕事を長く続けることに繋がると私も思うし、アメリカ式に仕事をどんどん拡大していくことが楽しことだと思えない。
イタリアは今リーマンショック以降の不景気から立ち直れずにいて、企業の倒産などあまり良い話は聞きませんが、自分たちのするべきことを守っている工房は、苦しいかもしれないけれど粘り強く残ってくれるはずだと思っています。

アウロラは工業都市トリノにある世界的な万年筆メーカーですが、外資や大資本の傘下に入らず、マイペースを守り、スローなペン作りをいまだに行っている会社だと言えます。
スローなペン作りとは、手間のかかる工程を守っているということになります。
アウロラがこだわるエボナイト製のペン芯は、1本ずつ削り出さなければ作れませんし、ペン先は多くのメーカーがしているように専門の業者に外注すれば手間が省けます。
それでも今も自社生産にこだわっていて、独特の書き味の秘密にもなっています。

「アウロラ88」は1952年には100万本売り上げたという大ヒットしたモデルの復刻です。
数字の8をモチーフにしたというボディデザインはそのままで、内部機構など書くための部分に現代の技術を取り入れ、実用性を向上させています。
1950年代のペンの復刻で、90年代の限定万年筆隆盛期の雰囲気を色濃く残している希少なモデルで、この88をベースにした限定モデルをアウロラは昨年末から続けて発売しています。
シガロは金キャップの88クラシックの世界観をさらに追究したような、90年代を古き良き時代としてリスペクトしたようなペンで、90年代に万年筆の世界に足を踏み入れた私には特別な存在の万年筆です。
88ソーレは、88をまた違った印象に味付けしたペンで、もしかしたら多くの人はこのソーレにイタリアらしさを見るのかもしれません。
大胆なオレンジ色のボディはソーレ(太陽)のイメージで、イタリアの陽光を表現しています。
4月には、88をベースにした限定モデルの「88NEBULOSA・ネブローザ」が発売になります。
星雲と名付けられた紫色マーブルのその万年筆は、まさに宇宙の色が表現されている、大変美しい万年筆に仕上げられています。
ネブローザはEF、F、M、Bとあり、ご予約承ります。(pen@p-n-m.net)

アウロラには100年近い歴史がありますが、その歴史的な財産を生かしながら現代風にアレンジしたペンを自分たちのペースを守りながら作り続けています。

⇒限定品 88 SIGARO(シガロ)
⇒限定品 88 Sole(88ソーレ)

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⇒2011.8.12 アウロラ88オールブラックの普遍性
⇒2013.7.19 思想を表現するもの~アウロラ88クラシック

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