PENLUX~台湾のモノ作りとデザインの力

台湾の万年筆メーカーPENLUXを新たに扱い始めました。
10月に台南ペンショーに行った時に、一目見て気に入ったブランドでした。
短期間ですが12月上旬までは当店が日本国内で先行発売することになっており、先日の神戸ペンショーでも多くの方に良い評価をいただきました。

PENLUXは1999年に創業したメーカーで、日本や欧米のメーカーのOEM(相手先ブランドでの生産)製造をする会社でしたが、今回自社ブランドによる初の万年筆グレートネイチャーシリーズを発売しました。
奇をてらわずにオーソドックスなデザインで仕上げたことと、信頼性の高いピストン吸入機構を備えた万年筆であるということに好感を持ちました。
無色の摺りガラスのような仕上げのクラウディベイは388本の限定品です。

14金フレックスは、ペン先に切り込みを入れて、非常に柔らかい書き味です。
最近の他社のフレックスニブやパイロットのフォルカンニブとは狙っているところが違っていて、ペン先が開いて幅広い字幅で書くのではなく、ビンテージの万年筆のような柔らかいタッチを得るためのペン先、という感じです。
他のフレックスでないモデルは、当店が特別に金ペン先仕様を依頼して用意してもらいました。これだけ立派なボディ、丈夫な吸入機構を備えた万年筆なので、金ペン先が合うのではないかと思ったのです。
もちろん元々はスチールペン先仕様ですので、お申し付けいただければそちらの仕様でもご用意できます。価格はクラウディベイ切り込みありスチールペン先モデル25300円(税込)、他モデルの切り込みなしスチールペン先は24200円(税込)です。

先日、台北を中心にステーショナリーや万年筆店を中心に見て回ってきました。
そんな中、印象付けられたのは台湾のデザイン力でした。
店作りやディスプレイの仕方が斬新で、大胆で、日本にはないものを多く見ました。
ステーショナリーや万年筆の分野で日本は台湾に先行したかもしれないけれど、私たちは過去の栄光に捉われて、時代に取り残されているのではないかと思いました。
台湾はすでにもっと先に進んでいます。
日本製のモノの品質の高さは自他ともに認めるところではあるけれど、同等のモノ、もっとデザインの良いものは台湾で作ることができる。
日本が今後も万年筆を作り続けたいと思うのなら、不採算だけど文化の貢献のために万年筆の製造を継続しているというスタンスではなく、万年筆が自分たちの仕事で将来もこれで生きていくという気概を見せる必要があるのではないかと、日本で万年筆の仕事に携わる者の一人として思いました。
万年筆というものの文化性に甘えてはいけない。万年筆も先に進まなければいけないとPENLUXから大いに刺激を受けています。

⇒PENLUX(ペンラックス)一覧へ
*現在項目がないため、Pen and message.オリジナル項目に入っています

神戸ペンショー

明日(11/23)明後日(11/24)の神戸ペンショーに当店も参加いたします。
地元神戸で開催される、ナガサワ文具センターさんとy.y.penclubさんが主催するペンショーなので立ち合いたかったけれど、昨年はペンショーの会場から近くにある当店に来られる方が多かったので、今回私は店番をすることになりました。
今回のペンショーでも、お客様に好まれそうなものをご用意して持っていきます。

江田明裕さんのガラスペンは、アクセサリー作家でもある江田さんのセンスのよる軸が魅力ですが、実は書き味にもこだわりがあります。
顕微鏡で確認しながら、ペン先をパイロットの字幅に沿った太さに仕上げられていて、従来のガラスペンというイメージを覆す書き味になっています。

台湾の万年筆メーカーPenlux(ペンラックス)は日本初登場で、当店が先行販売となります。
シンプルなデザインですが、万年筆好きの心を惹く仕様になっています。作り込みが感じられるオリジナルの吸入機構、書き味の良いペン先が特長で、本格的な万年筆です。

紙製品はオリジナルダイアリーとシステム手帳を中心にお持ちします。
正方形のオリジナルダイアリーは、カンダミサコさんが革カバーを作って下さり、何とかペンショーに間に合わせてくれました。

システム手帳リフィルバイブルサイズ筆文葉、M5サイズそら文葉を作っている智文堂のかなじともこさんは、ペンショー中当店ブースにおられ、自作品の販売を担当してくれます。イベント限定の商品も製作予定で、今頃は最後の追い込みで頑張っていると思います。
万年筆に関しては、当店スタッフ森脇 直樹がペン先調整を担当します。お持ち込みの万年筆の調整も承りますし、隣のブースの台湾の万年筆メーカーツイスビーのものも森脇がより書きやすく調整いたします。

友人である590&Co.(コクエンアンドコー)さんを神戸ペンショーに引っ張り出しました。モトコーにあるお店ができたばかりなので、より多くの人に知ってもらって知名度を上げてもらえるのではないかと、お節介ながらお誘いしました。
とてもセンスが良くて、素晴らしいお店作りをされているので、それはペンショーでも発揮されるのではないかと期待しています。
こういう華やかなイベントは苦手ですが、当店なりに神戸ペンショーを盛り上げたいと思っています。 関連記事

*前の記事「ブッテーロ革のペン置き」

ブッテーロ革のペン置き

当店のことを、私が良いと思ったもののみを扱う万年筆・ステーショナリーのセレクトショップだと思われているかもしれないけれど、私は自分の狭い了見や偏った好みだけで、モノの良し悪しを決めてはいけないと思っています。
自分が良いと思わなくても売れるものはたくさんあるし、自分が見出せなかった良さを他の人が見出してくれることもよくあるからです。
こういうことを今までたくさん経験してきたので、商品について、特に取り扱いをするかどうかを自分の価値観だけで決めてはいけないと肝に銘じています。
あまりにも自分のポリシーから外れるものは別ですが。

最近私がその良さを見抜けなかった商品が、カンダミサコさんの「ブッテーロ革のペン置き」でした。
ブッテーロの革を2枚重ねにし、折り曲げて固定したとてもシンプルな仕様のものです。
あまりにもシンプルで、今までの職人仕事に対する固定観念がある私にはその良さが分からなかった。 でも販売し始めて、その良さに気付きました。

よくあるようなペントレーではなく、このくらいシンプルなものの方が今の人の感性に合っているのかもしれません。定位置を作って机の上に置いておいて使うのではなく、何か書き物をする時に取り出して使う、あるいは出先で使うような用途がこのペントレーには合っています。
本当に何が売れるか分からないと言うとカンダさんに怒られるかもしれない。

万年筆の固定観念に捉われていないし、今もフレッシュな感性を保ち続けているカンダミサコさんですが、安い革で作れば値段も安くできて売れやすくなるけれど、良いものにこだわっていて、革の質を落とすことはありません。
デザインやモノのあり方は変わっていくものなのかもしれないけれど、それは変わらないことだと思う。

安い革とそうでない革の違いについて述べるのはなかなか難しいですが、手触り、色味など、基本的な質感の高さが違います。
このペントレーもブッテーロの革を使用していて、その滑らかな手触り、使っていくうちに出てくる艶などの変化が楽しめるのはこの革ならではのものだと思います。
ブッテーロは植物由来のタンニンなめしをされた、自然な質感のある油分を多く含んだ革です。
ブラシや布で磨いたり、手で触れることで油分が表面に艶を作りますし、小さな傷なら磨くことで目立たなくすることができます。
そんな上質な革との付き合い方は変わらずに教えてくれるものでもあります。

⇒カンダミサコ「ブッテーロ革ペン置き」 関連記事

*前の記事「ペリカンM600バイオレットホワイト~ペリカンの庶民性~」

ペリカンM600バイオレットホワイト~ペリカンの庶民性~

ペリカンM600バイオレットホワイト~ペリカンの庶民性~
ペリカンM600バイオレットホワイト~ペリカンの庶民性~

発売延期になっていたペリカンM600バイオレットホワイトが入荷しました。
ペリカンはこのM600ホワイトで、伝統的な形と縞模様をベースに、今まで万年筆になかった明るい色で仕上げるという手法を取り入れ、鉱脈を掘り当てたと思っています。
次は何色が出るだろうと多くの人がこのシリーズに期待しているし、こういう万年筆のあり方もいいなと思わせてくれます。

私は今のペリカンの気取ったところのない、使う人のための万年筆というあり方が好きで、それをペリカンの庶民性という言葉で表現できると思っています。
万年筆は貴族のためのものという趣のものが多く、私たちはその趣向とか世界観など、手の届かない世界に憧れて、それらの万年筆を手にすることによって少し近づいたような気分になります。
でも実際に私たちは貴族のような生活をしていないし、自分たちが働かなければ暮らしていけない。
そんな私たちが背伸びすることなく使うことができる万年筆で、ペリカンは私たちのための万年筆だと思えます。

今の万年筆の業界が衰退せずに多くの人の興味を引いていられるのは、万年筆を愛用しているお客様方がSNSなどで情報を発信していたり、私たち販売店が微力ながら活動したりしているからですが、ペリカンの存在も大きいのではないかと思っています。
当店もペリカンによって助けられました。
ペン先調整をする万年筆店として12年前に開店しました。
理想的な機能性を持つ万年筆として、ペリカンM800を当時からお勧めしてきましたが、少し手を掛けて調整すると、ペリカンはさらに書き味が良くなる万年筆で、当店にはまさにお誂え向きの万年筆でした。
今回発売されたM600バイオレットホワイトも、ペリカンらしい書き味の良い、使うための万年筆に仕上げることができます。

ペリカンM600バイオレットホワイト発売に合わせて、カンダミサコペンシースの人気色エッグシェルにバイオレットステッチを施したものを作りました。
M600バイオレットホワイトと合わせてお使いいただくと、より楽しくお使いいただけると思います。

⇒Pelikan 限定品スーベレーンM600バイオレットホワイト
⇒カンダミサコ PelikanM600バイオレットホワイト用1本差しペンシース

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*前の記事「20色キャップレス発売とミツロウダイアリーカバー」

20色キャップレス発売とミツロウダイアリーカバー

20色キャップレス発売とミツロウダイアリーカバー
20色キャップレス発売とミツロウダイアリーカバー

春のパイロットの展示会で発表されたキャップレスデシモ限定20カラーズの第1弾の5色が入荷しました。
今回の10月、来年2月、7月、12月の4回に分けて20色を発売するという壮大な計画です。
定番の艶のある仕上げのボディもいいですが、このシリーズはブラシ加工が施されたメタリックなボディで、現代的で洗練された印象です。

私は暗めの色が渋くて売れると思っていたけれど、今のところ明るめの色が売れています。
キャップレスデシモはアルミ製のボディで軽く、細身になっているので女性の方には非常に使いやすいと言われます。
意外な感じがするけれど、神戸の書道会の先生方の間でキャップレスデシモがもてはやされたことがありました。文字の形を気にしながら1画ずつ書くのに軽いボディと、小さいけれど柔らかいペン先が貢献しているのだと思います。
キャップレスデシモがペン先がノック式で出てくる便利な万年筆というだけでなく、美しい文字を書くのに役立つ万年筆でもあるということを証明した出来事でした。

キャップレスデシモもそうですし、ペリカンM400もその代表的な存在ですが、当店は女性のお客様に使っていただけるステーショナリーをなるべく揃えたいと思っています。
当店が提案する素材や作りの良いものを理解して下さり、発信する情報に鋭く反応してくれる大人の女性たちにも、当店は支えられているとよく思います。
もう10年も作り続けている大和出版印刷さん、分度器ドットコムさんとの共同企画である正方形のオリジナルダイアリーも、そういった女性の方にもお使いいただきたいと思い、写真作品のポストカードやカレンダーで作られているSkyWindさんにミツロウ引きのダイアリーカバーを作っていただきました。

オリジナルダイアリーは、システム手帳よりもウィークリーもマンスリーも1日のスペースが大きく、大きめの文字で書くことができますので、小さな文字が読み辛くなった世代にも使いやすい。
私も忙しい日が続いた後など、特に小さな文字は読みにくく思うようになってきましたのでよく分かります。
特にマンスリーダイアリーは一見してすぐ分かるカレンダーのレイアウトで、仕事別に分けて持っても良いと思うほど薄くて携帯しやすい。
ウィークリーダイアリーはマンスリーとウィークリー、全てを備えた完璧な1冊です。
それぞれ個性が違うけれど、用途に合わせてお使いいただきたいと思います。

ミツロウ引きの紙は使っていくうちに使い込んだ風合いが出てきます。紙なので年月を得るごとに徐々に劣化しますが、それが味に思えるし愛着も湧いてくる。
ダイアリーの厚みにピッタリ合わせられるので、薄いものは薄いまま持つ事ができます。

そして新たに正方形の下敷きも作りました。
スムーズで適度な柔らかさの革を敷いて万年筆で書くとすごく書き味がよくなるし、ペンが適度に止まって文字も美しくなります。文字を書く前に下敷きを挟んで書く、心の余裕も欲しいところです。
オリジナル正方形のダイアリー、軽くて細いキャップレスデシモとともに使っていただきたいと思っています。

⇒パイロットキャップレスデシモ20カラーズ
⇒SkyWind ミツロウ正方形ダイアリーカバー
⇒正方形ダイアリー用革下敷き
⇒正方形ダイアリー

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⇒2014.12.16「日本の技術とさりげなさ~パイロットキャップレス~」

*前の記事「手を掛けられたステーショナリー」