コンチネンタルペンシース 〜便利で使いやすいものから、持っていて楽しいものへ〜

コンチネンタルペンシース 〜便利で使いやすいものから、持っていて楽しいものへ〜
コンチネンタルペンシース 〜便利で使いやすいものから、持っていて楽しいものへ〜

当店で扱うステーショナリーにおいて、機能性を追究するのもいいけれど、そうじゃないものもあっていいのではないかと思い始めています。
良い革を使ったり、作りの良さにこだわったりすることも機能性から一歩踏み出したものではあると思うけれど、それも機能性の上に成り立っているような気がします。
便利で使いやすいものからはみ出したものを作りたいと思い、ぶ厚い革でコンチネンタルミニ5穴システム手帳をカンダミサコさんに作ってもらいました。
革が馴染むまでの硬いうちは開きにくく閉じにくいですが、コロンとしていて可愛らしい。
このダグラス革は、使い込んだりブラシ掛けなどをすると、劇的に艶が出るとてもいい革ですが、廃番でもう作られていません。
カンダミサコさんが買い占めてくれたものがなくなり次第終了となってしまうことは残念ですが、この革の魅力もあって、「なぜか持っていたいもの」ができたと思います。
ミニ5穴システム手帳は、今は品切れ中ですが、ご予約いただきましたら、お渡しできるようにいたします。

ミニ5穴システム手帳と同じ考えで、コンチネンタルペンシース を作ってもらいました。
カンダミサコさんの代表作をベースにして、機能性を無視した当店のオリジナル商品を作ってもらうのはどうだろう?と少し気を使いましたが、ミニ5穴システム手帳と同じように、コロンとした面白いものができたと思っています。

革をかなり厚く使っていますので、外寸を少し大きくしています。
これによりレギュラーサイズのペン以上のペリカンM1000、パイロットカスタム845程度の太さのものも収められるようになりました。
カンダミサコさんのペンシース は、カンダさんが独立して仕事を始めた時からの代表作です。
当店も2周年を過ぎた頃から扱い始めていましたので、カンダさんとはもう10年以上の付き合いになります。
その頃当店もカンダさんも手探りで自分たちの仕事を軌道に載せようとしていました。
私は今だに「軌道に乗るって何?」と思っていて、変わらず余裕もなく働いています。
きっと自分はこんな風に、何かに追われるように、ずっとゆっくりすることなく生きていくような気がしています。
しかしカンダミサコさんは、自分のやり方を確立して、マイペースで地に足のついた活動を続けられています。
カンダミサコさんの力を借りて、当店はまた新たな展開をしようとしていて、それを象徴するのが機能性という常識からはみ出した、コンチネンタルの革製品なのです。

⇒コンチネンタル1本差しペンシース

関連記事

⇒2015.10.30「3本差しペンケースの楽しみ~コンチネンタルペンレスト兼用万年筆ケース再入荷~」

*前の記事「工房楔との出張販売「Pen and 楔 福岡展」」

工房楔との出張販売「Pen and 楔 福岡展」

工房楔との出張販売「Pen and  楔 福岡展」
工房楔との出張販売「Pen and 楔 福岡展」

6月8日(土)9日(日) 工房楔の永田さんと福岡に出張販売に行きます。
福岡はすっきりした街の雰囲気や皆様の人柄が温かくて、大切に思っている街です。この出張販売を福岡、九州の人に楽しんでいただけるものにしたいと思っています。
昨年、一昨年の出張販売では連続で豪雨にあって、今年は日程を1ヶ月早めました。
1年前からこの日に予定していたのに福岡でのG20と重なってしまい、福岡市内へのマイカーの乗り入れが出来ないと聞いています。
どうぞ公共交通機関でお越し下さい。

工房楔との共同企画商品のこしらえの長軸タイプは、国産万年筆最高のもののひとつだと思っている「カスタム743」のペン先ユニットをつけることができる万年筆用銘木軸です。
その時々で、永田さんの持っている材で最高のものを使ってもらっています。
良いペン先の書き味と、銘木の景色、質感を味わうことができる当店と工房楔を象徴するオリジナル万年筆です。

このこしらえには別にボールペンユニットをご用意していて、これを装着するとゲルインクの三菱シグノ、ゼブラサラサ、ぺんてるエナージェルや、油性ボールペンの三菱ジェットストリームなどの替え芯を使うことができます。
使いやすい国産のボールペンを、愛着を持って使うことができる軸で使えるようにしたいと思いました。

ただ製作時期によって、こしらえの中にこのボールペンユニットが合わないものがあります。そのためお客様がお持ちのこしらえと実際に合わせてから販売するようにしており、通販はしていません。
こちらのボールペンユニットも福岡に持っていきますので、ぜひお手持ちのこしらえを持って合わせて見て下さい。

銘木をくり抜いて作る、コンプロットの1本用ペンケース「コンプロットウーノ」に当店が独自に輸入しているウォール・エバーシャープデコバンドがピッタリと入ることをご存知の方も多いかもしれません。

オーバーサイズ万年筆の中でも、書き味の特に良いデコバンドの武骨な趣きと、刳り抜きによって素材を厚く使っているコンプロットウーノの組み合わせは、ただサイズが合うというだけでない相性の良さがあります。
こういった遊びの要素が万年筆や銘木製品では大切にしたいことで、私たちはそんな遊びをお客様方にご提案したいと思っています。

コンプロットウーノはデコバンドだけでなく汎用性の高いものなので、特別な万年筆を収めるペンケースとして、お好みの万年筆に合いそうな素材、杢のものを使っていただきたいと思っています。
工房楔の新製品ノック式ボールペンルーチェに、カンダミサコさんの1本差しペンシース を合わて銘木と革の組み合わせを選んだりすることもお勧めしていて、工房楔と当店のコラボイベントとして幅広く楽しんでいただけると思います。
ぜひご来場下さい。

⇒万年筆用銘木軸「こしらえ」

*Pen and 楔 福岡展2019*
6月8日(土)11時~18時 9日(日)11時~16時 ギャラリートミナガ(福岡市中央区大名2-10-1)
お待たせしないように、万年筆のご購入やお持込みのペン先調整などは、ご予約を承っています。
メール(pen@p-n-m.net)か電話(078-360-1933)にて、お申し付け下さい。

関連記事

⇒2017.7.14「福岡でのイベント「Pen and 楔 2017」を終えて」
⇒2018.7.20「2018年福岡出張販売」

*前の記事「ウォール・エバーシャープ シグネチャー新発売」

ウォール・エバーシャープ シグネチャー新発売

ウォール・エバーシャープ シグネチャー新発売
ウォール・エバーシャープ シグネチャー新発売

調整の応援販売をさせていただいたKA-KU奈良店は、大和西大寺というあまり観光客は降りない、地元の人が利用する駅の近くのショッピングセンターの中にあります。
当然ショッピングセンターのお客様も周辺の住宅地から来ていて、普段着で気軽に訪れるお店という感じ。
こういう地元に根差した所だからこそ、万年筆を使いたいと思っている人に万年筆を使ってもらえるような活動をしたい。
調整の応援販売はモノを買ってもらう為というよりは、万年筆を使う人を増やすために行っています。
万年筆を日常的に使ってもらえるようになるのなら、どの万年筆でもその人の気に入ったものを使ってもらえたらそれでいいけれど、当店が独自に輸入しているウォール・エバーシャープをその人の唯一の万年筆として使ってもらえたら素敵だと思います。
オーバーサイズのデコバンドはその書き味も使用感も良くて、ある程度万年筆を使った人ならその良さはすぐに分かるけれど、今まで万年筆を使っていなかった人には少しハードルが高いものだと思います。
だから初めて万年筆を使うという人にはデコバンドはお勧めしていませんでした。

しかし、このたびオーバーサイズのデコバンドに対して、標準的なサイズのレギュラーサイズのシグネチャーが発売になりました。
デコバンド同様無骨な雰囲気をもっている、古き良きアメリカ製らしい万年筆です。
1920年代のアメリカの万年筆、シェーファーライフタイムやパーカーデュオフォールド。それらは何の装飾もない万年筆ですが、ペン先が大きく分厚いという共通点のある無骨な魅力の万年筆です。
故障する要素がどこにもなく、もし吸入ゴムチューブが破れても汎用品のもので直すことができる。

古いハーレーダビッドソンのオートバイがどこかの荒野で故障しても、自分で直すことができるようにシンプルな構造を採用しているという話を聞いたことがありますが、それと同じ思想をウォール・エバーシャープに感じます。
初めて万年筆を使う人にとってウォール・エバーシャープというメーカーは絶対に知られていないと確信を持って言えるけれど、他のペンと比べてもらえばその違いを感じられる。何か厚みを感じるたくましさのような魅力がデコバンドにもシグネチャーにもあって、私はこれがウォール・エバーシャープの他社にはない魅力だと思っています。

シグネチャーのボディサイズは標準的なサイズですが、ペン先は大きく、存在感があります。
書き味は18金の大きなペン先の恩恵もあって、柔らかく、上質さを感じる書き味を持っています。日本人はあまりしないけれど、ウォール・エバーシヤープのホームページではFからMにフレックスさせて書くことができるとしています。
太さの感覚的にはペリカンのMくらい、日本のメーカーで言うと太字くらいの感覚になのかもしれません。漢字を書く国の人には少し細めに研ぎ出した方が日常的には使いやすいと思いますので、ご要望があれば細字に研ぎ出してご用意致します。

シグネチャー、ウォール・エバーシャープを使いたいと思っている人に、よりその世界に入りやすい待望のペンが出ました。

*全て揃ってからご案内する予定でしたが、6月に遅れている商品がございます。
ラインナップは全てご紹介しておりますので、サイトもご覧下さい。

⇒ウォールエバーシャープ シグネチャークラシックコレクション

関連記事

⇒2019.3.1「当店の色~ウォールエバーシャープデコバンド~」

*前の記事「偉大なる無名品」

偉大なる無名品

偉大なる無名品
偉大なる無名品

当店のような個人店において大切なことは、自分のやりたいようにすることだと分かってきました。
だけど自分のやりたいことを見つけ出して、それを実行することは意外と難しく、勇気の要ることだと思っています。
かと言って他の誰かの考えで商売は上手くいかないし、他の誰かの考えを実行したいとは思わない。それが許されている自分はきっと恵まれているのだと思います。
お客様方にお勧めするものも、自分が良いと思っているもの、好きなものを勧めたいと思っていて、これはどのメーカーとも利害関係のない、独立した存在の当店だから許されることなのだと思っています。

一流品という言葉に違和感を覚えます。
それは誰もが知っているブランド品であることが多く、書籍などではそれだけが唯一良いもののように書かれていることがあります。
しかし他にも良いものはあるし、もっと上質なものもたくさんあります。
最近日本の歴史に興味を持って、関連する本を読んだり、考えたりすることがあります。歴史の殆どは、ほんの一部の日本の表面的な部分を動かしていた為政者について書かれています。大多数の存在である庶民はきっと例えば中大兄皇子が蘇我入鹿を殺害して権力を手中におさめたことなど知らないし、関係がない。
それらは日本の歴史ではなく、日本のほんの一部の人の権力闘争の歴史で、一流品という言葉でそれが良いものの全てとすることに近いニュアンスを感じる。

一流品と言われている誰もが知っているものよりも、あまりたくさんの人は知らないけれど、自分でその良さを見出して好む方が、私には趣味が良いように思える。
そういうものを一流品に対して、けっして二流品ではない。無名品と言えばいいのだろうか。
当店は偉大なる無名品、私たちの日常に取り入れることのできる無名品を揃える店でいようと、誇りを持って思います。
当店で扱っている革製品、木製品など職人さんたちのものはもちろんそうですが、考えてみると万年筆メーカーのものはほとんどが無名品であるような気がします。
万年筆を使わない人で、モンテグラッパ、ビスコンティ、ピナイダーを知っている人は少ないのではないでしょうか。

無名品と考えた時に私はまずアウロラのことを思い浮かべます。
一般にその名は知られていないけれど、この万年筆に強く惹かれるファンがいる。しっかりとした構造の実用的な万年筆を作っているペンファクトリー。
私たちが生活の中に取り入れてもおかしくならない、自然で抑制の利いた華やかさ。
アウロラのペン先は硬めで、F以下なら細かい文字も書きやすいので漢字を書く国でも使いやすいと思っています。
インクが切れた時に発動できるリザーブタンクは、とても便利な機能で、実際に万年筆が使われるシチュエーションに合っている。
アウロラは実際に使われる生活を思い描いて作られている、偉大なる無名品だと思っています。

⇒AURORA(アウロラ)TOP
⇒AURORA・限定品88サトゥルノ(画像の万年筆)

関連記事

⇒2015.3.20「信じられるブランド~AURORA」
⇒2017.10.27「アウロラの誇り」

*前の記事「静かな暮らしから生まれるオリジナリティ~カンダミサコの革製品~」

静かな暮らしから生まれるオリジナリティ~カンダミサコの革製品~

静かな暮らしから生まれるオリジナリティ~カンダミサコの革製品~
静かな暮らしから生まれるオリジナリティ~カンダミサコの革製品~

小さな店ですが、今までお客様以外の方でもいろんな人と関わって仕事してきました。その中で長く関係を続けられる人もいれば、そうでない人もいます。
仲良しグループというつもりはなく、お互い高め合える人と一緒に仕事をしたいと思っています。
そんな中でカンダミサコさんとは長く一緒に仕事してくることができて、とても助けられています。
カンダさんは当店と同じ元町で工房兼自宅を構えられていて、犬の散歩の途中やお昼ご飯を買いに行く途中で納品に来てくれたりする距離にいます。
カンダさんもこの場所で、静かにマイペースな生活をされている。
その仕事に惚れ込んでいるけれど、カンダさんのそんな生き方のペースがきっと当店と合っていて、長く協力し合えているのだと思います。

私たちは自分たちの静かな生活を守るために常に何かを創り出そうとしている。
変わらない暮らしをするためには仕事の永続性が必要で、そうするためには変わり続ける必要があるということが分かるようになってきました。
その仕事において一番大切なことはオリジナリティだということも、今までやってきて分かりました。
私たちが表現したいオリジナリティは奇抜で、奇想天外なことではなく、静かな生活の中から生まれた、自分たちの考えが生み出すものだと認識していて、それはカンダさんと変わらないのかもしれません。
カンダさんは私よりもずっと歳下だけど、それらのことはすでにちゃんと分かっていて、マイペースで仕事を続けられていて、すごいと思っています。

シュランケンカーフやダグラス革のコンチネンタルのシステム手帳が定番品という位置付けで、その他に毎年革の種類を変えて作ってもらっているものがあります。
昨年はカンダさんが秘蔵していた革クラシコバッファローでシステム手帳を作りましたが、今年はアルランゴートヌバックを使ったシステム手帳をバイブルサイズとミニ5穴サイズで作っていただきます。

アルラン社はフランスのゴート専門のタンナーです。丈夫でしっかりとした山羊革の銀面をバフ掛けして起毛させ、柔らかく滑らかな手触りに仕上げています。
山羊革の特長を生かしながら、繊細な手触りを加えた仕上げに、さすが山羊革を知り尽くしたタンナーによる革だと思いました。
今年の手帳にとカンダさんが勧めてくれた革で、こんな革を使った手帳を見たことがなかったけれど、すごいものができたと喜んでいます。
ホームページに発売後あっという間に品薄になってしまいましたが、また製作していただく予定です。

そして、アルランゴートヌバックほど派手な存在ではないけれど、システム手帳用の下敷きも作っていただきました。
ブッテーロの革を薄く漉いて作られた革下敷きは、裏側も滑らかで書きやすくなっています。さりげない小物だけど、デザインやいつもと違うロゴにも気配りが感じられる。
手帳を楽しむためのこういう小物にもカンダミサコさんらしいオリジナリティが感じられて、気に入っています。

⇒バイブルサイズシステム手帳「ゴートヌバック革」
⇒M5サイズシステム手帳「ゴートヌバック革」・追加製作中
⇒バイブルサイズシステム手帳用革下敷き
⇒M5サイズシステム手帳用革下敷き

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*前の記事「日本人の万年筆観」