グイード・リスポーリ氏の新作カード

グイード・リスポーリ氏の新作カード
グイード・リスポーリ氏の新作カード

小さな店の品揃えを考えた時、長年身を置いた文具業界の常識や今までの経験で得たことは全て捨てて、この店独自の品揃えを考えなければいけないと思ってきました。
他所の店にはないオリジナル商品だけで揃えることも一案だけど、そうなると在庫がすごい量になってしまう。
だけど縁あって扱えるようになった当店にしかない紙製品はいくつか存在していて、それは当店の特徴になってくれています。
加古川の写真家SkyWindさんの独特の世界観の写真をポストカードにしたシリーズは、季節ごとに買いに来て下さるお客様がおられる人気商品になっています。
SkyWindさんの心を写し出したような作品には私も惹かれます。大人のための写真、ポストカードで、こういうものを扱えていることに感謝しています。

昨年夏から扱い出したグイード・リスポーリ氏のグリーティングカードも、日本ではあまり他所の店にはないものです。
この店を万年筆とインクとノートだけの店にはしたくなかった。ちゃんと大人の色気を感じさせるようなものもあって欲しくて、このグリーティングカードもその役割を果たしてくれています。

グイード・リスポーリ氏のグリーティングカードはしばらく品切れしていましたが、やっと再入荷し、新作も出来上がってきました。
当店オリジナルの正方形ダイアリーや正方形ノートに透明カバーをして、グリーティングカードを表紙として使うことを以前からご提案してきましたが、ご自分の手元に置いておきたくなるこのカードならではの使い方だと思っています。
透明カバーとともに使ってみたいと思われていた方にも、入荷したばかりで種類も充実していますので、ぜひお選びいただきたいと思います。

新作は、色合いを抑えているのにゴージャスな仕上がりの「ラクイラのオリーブ」です。
イタリア中部アブルッツォ州にあるラクイラは乾いて痩せた土壌で、農作物の育ちにくい土地でしたが、土壌改良によりオリーブの栽培が可能になり、オリーブオイルを出荷できるようになりました。
そんなラクイラの人たちの夢をになったオリーブをグイード・リスポーリ氏は新作のモチーフに選んでいます。
個人的にフェイスブックでは友達になっていて、垣間見る趣味の釣りとベースとジープは、私たち日本人が思い描くイタリア人像を地で行くものですが、彼もラクイラの大地震では被災して、自宅は全壊したそうです。

グイード・リスポーリ氏のカードも、SkyWindのポストカード同様に、直接会ったことはないけれど友人の心を写す作品で、当店の特長になっています。

*SkyWind(作家別TOP)
*グイード・リスポーリ レーザーワークカード

関連記事

⇒2017.9.1「Guido Rispoli(グイードリスポーリ)氏のカード」
⇒2016.8.5「葉書を送る~SkyWindポストカード~」
*前の記事「万年筆の研ぎ」

万年筆の研ぎ

万年筆の研ぎ
万年筆の研ぎ

少々マニアックな話になるかもしれませんが、ルーペで美しいペンポイントの形を見るのが好きです。

ペンポイントの形で好きなもののひとつに、ペリカンが2000年代始め頃までしていた角研ぎと言われるペンポイントがあります。
きれいに四角く、切り割りを寄せ気味に仕上げられたペンポイントは、スッキリとした印象でした。
角研ぎのペンを書こうとすると、ペン先は紙に正対させないとインクが出ないし、指先の動きに鋭く反応するようになるには、書きにくいのを我慢して2年くらい使うか、自分の筆記角度に合わせて調整してもらう必要がありました。
少しややこしいペン先で、書き出しが出ないなどのクレームも多かったペン先です。今ならきちんと説明して、しっかり書けるようにしてあげられるけれど。

そういう使いにくいペン先が実は美しいというのは面白く、書きやすさとルーペで見た時の美しさはなかなか両立しないのかもしれません。
でも、私はいつも両立させたいと思っています。
ルーペで美しいペンポイントを見るのが好きだということからもお分かりだと思いますが、私が今自分の仕事の中で一番こだわりを持ってやっていて、やるべきことだと思っているのはペンを研ぐことです。
ペンを研ぐというのは、ペンポイントを削ることだけを指すのではなく、ペン先ペン芯の合せを最適化したり、ペン先の寄り加減を調整したり、ペンポイントの形を整えたりする、言わばペン先を冴えさせることの総称だと思っている。

ペン先が冴えるというのはどういうことかと言うと、ペン先が紙に触れただけで書くことが出来て、指先に敏感に反応してくれる。書き味が滑らかである。インクが出過ぎたり、少な過ぎてかすれたりしないということになります。
そんな冴えたペン先にしたいといつも思って万年筆を調整しています。
まだまだペン先調整は認知度が低いけれど、万年筆を調整することによってもっと書きやすくなるということを多くの人に知ってもらいたい。
そして、当店の研ぎは万年筆を冴えさせるものだと認知されたいと思っています。

それは私にとってロマンを追い求めることだけど、そうなっていかないと、私たちの仕事は廃れていってしまうような気がします。

関連記事

⇒2009.5.29「ペン先調整考」
⇒2016.11.25「当店のペン先調整について」

*前の記事「カンダミサコ2本差しペンシース」

カンダミサコ2本差しペンシース

カンダミサコ2本差しペンシース
カンダミサコ2本差しペンシース

万年筆を1本だけ持って、それで全ての仕事が済んだら一番潔くてカッコいいと思う。
それはマニアックな考え方なのかもしれないけれど、実際万年筆だけで仕事するのは難しく、ボールペンなり、シャープペンシルなどの非万年筆がどうしても必要になります。
複写式の紙に書くことがありますので、ボールペンはどうしても手元に置いておかなくてはなりません。
最低2本、必要な万年筆とボールペンをカッコよく持ちたいと思っていて、こういう時にはカンダミサコ2本差しペンシースがとてもいいと思っています。
このペンシースはフラップがないので、素早くペンを出し入れできますし、シンプルな形や使う時の所作が好きです。

シュランケンカーフは柔らかい革を薬品で人工的に縮れさせた革なので、多少の伸縮性があります。使っているうちに中に入れたペンに添ってくれるけれど、型崩れはしないという非常に優れた革です。
このペンシースにペンを2本差すと、万年筆でもボールペンでも天冠が少し見えますので、その景色が美しいものにしたい。
私が持っているペンの中で一番サマになるのは、ファーバーカステルクラシックコレクションだと思って、2本セットにして入れています。
エボニーのボディの2本セットをこのケースに入れた姿が美しいというのは自己満足だけれど、実は万年筆とボールペンなど2本セットにしてサマになるペンはなかなかないと思います。
それぞれ良いものを選ぶとどうしても違うメーカーになってしまうからかもしれません。万年筆は万年筆の良いメーカーがあって、ボールペンも同様なので、気付いたらバラバラになっている。
2本セットにすることでその存在がより光り輝く、2本ある姿が美しいものをいくつか考えてみました。
ペリカンM400とK400ボールペンやD400シャープペンシルの組み合せはなかなか雰囲気があるのではないかと思っています。
M400は万年筆の定番中の定番ですが、ボールペンやシャープペンシルもクラシックで愛らしい。
多くの高級なペンが回転式なのに対して、K400、D400ともにノック式で、細いノックバーの先にはちゃんとペリカンマークが入っています。
ラミー2000の万年筆と非万年筆の2本セットもカッコ良すぎるかも知れませんが、サマになる組み合わせです。
これをカンダミサコ2本差しペンシースに入れたらとても美しいだろうなと思わせてくれます。
言い出したらキリがないかもしれないけれど、こういった組み合わせについて楽しい考えをさせてくれるのが、いいペンケースのひとつの条件だと思います。

*カンダミサコ2本差しペンケース

関連記事

⇒2011.4.22「革と万年筆 カンダミサコ2本差しペンシース」
⇒2017.3.17「カンダミサコ2本差しペンシース~シンプル、軽やかなペンケース~」

*前の記事「ウォール・エバーシャープ入荷しました」

ウォール・エバーシャープ入荷しました

ウォール・エバーシャープ入荷しました
ウォール・エバーシャープ入荷しました

当店10周年の年の昨年、何か当店らしい万年筆の企画をしたいと思っていました。
オリジナル万年筆というのも一案ですが、メーカーで別注するのはよくされていることで、違うことをしたいと思いました。
開店して10年経ち、また新たにスタートをきった今後の当店の象徴となるようなものがいいと思いました。
これまでの10年は、それまでの経験でできることだけをしていて、それは今の時代では時代遅れになるつつある20世紀の古いやり方かもしれないけれど、お客様方のおかげで続けてくることができましたが、やはり限界がある。
今までしたことがなかったような、いい意味でお客様方の期待を裏切るようなことをしたいと思っていました。
そんな時に海外のペンの専門誌でウォール・エバーシャープ社のデコバンドを見ました。
本当に単純にその外観に惹かれて、これが欲しいと思いました。
これまでは、日本の輸入代理店が国内の流通ルートに流すものから選んで仕入れていて、それに何の疑問も持ちませんでした。
でもその仕組みにも今の時代に合わなくなってきているところがあったり、不満に思う所が出て来ていて、今後はお店が直接海外のメーカーのものを輸入することが普通になるのではないかと思っています。
当店というより、もしかすると海外製万年筆の日本での今後を示す事なのかもしれない。
当店は、ウォール・エバーシャープ認定の正規販売店になっていて、ウォール・エバーシャープのホームページにも掲載されています。

デコバンドは、2種類の硬さから選ぶことができる大きなペン先と面白味のある吸入機構を備えていて、使うことが楽しい趣味的な万年筆だと思います。
仕様について説明すると、ボディの素材はエボナイトとアクリルレジンの2種類があります。
プレーンブラックとローズエボナイト、オレンジ色で幾何学模様の彫刻が入ったギャッビーオレンジがエボナイト。プレーンブラックとローズエボナイトのペン芯には朱漆が施されています。
アクリルレジンは、ポジターノとギャッツビーです。
ペン先はかなり特徴的なラインナップで、字幅は存在せず、2種類の硬さの違いが選択できるようになっています。
ゴールドフレックスニブは硬めの設定。硬めと言っても、2種類のうちの硬い方という意味で、最近の万年筆の中では標準くらいの柔軟性は持っています。
ペリカンで言うとEFくらいの太さになりますが、筆圧をかけると中細くらいまで太く書くことができます。
書いていて安心感がありますので、たくさん書く方はゴールデンフレックスニブを選んで欲しいと思います。

スーパーフレックスニブはとても柔らかいペン先です。
ペリカンのFくらいの太さですが、筆圧でBくらいの太さまで書くことができます。ただ本当に柔らかいので、開いてしまうのを防ぐためにもあまり無理しない方がいいと思います。
でもとろけるような書き味を味わうことができるペン先です。
どちらのペン先も、硬軟の違いはありますがかなり上質な書き味を持っています。

吸入機構は、一般的にタッチダウンと言われる機構に近く、ウォール・エバーシャープはニューマチックと呼んでいます。
尻軸を緩めて引き出し、尻軸中央の穴を指でふさぎながら押し込みます。指を離すと吸入が始まり10秒待つという、他の万年筆では見たことがない吸入の仕方ですが、操作していてとても楽しい。
ゴムチューブの空気圧を利用した吸入方式ですが、ウォール・エバーシャープは最も信頼性が高く、故障が少ない、修理も簡単に行える吸入方式だと自信を持っています。
万年筆は道具として割り切って使うものと、そのものを使ったり、眺めたりして楽しむ、趣味のモノのように使うものとあると思いますが、デコバンドは立派な趣味の道具だと思います。

もちろん本気で使うと、並みの万年筆以上の力は発揮してくれる。
このウォール・エバーシャープデコバンドを多くの人に使っていただいて、その使いこなしや楽しみ、インクの相性などの情報を共有したい、この万年筆を中心としたコミュニケーションを作りたいと思っています。

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*前の記事「ファーバーカステルクラシックコレクション マカサウッド」