仕事を楽しんでいるか

仕事を楽しんでいるか
仕事を楽しんでいるか

自分が好きなことを仕事にしているので、毎日が楽しい。
でも同じ楽しい日々の中でも、本当に身が入っていたかどうかは、自分のダイアリーを見返してみると明白に表れています。

前日やそのずっと前に、やるべきことを押さえて、ToDoリストに使っているオリジナルのウィークリーダイアリーに記入しておく。
仕事中にそれをこなせていればいいけれど、ダイアリーに向かう時間が取れなければ、次の日の行動もバラバラなとりとめのないものになっています。
店でしかできないことと、その前にやっておくべきこと、あるいは家で一人でないとできないことがあって、それをコントロールするのがダイアリーの役目です。
それは仕事の出来とは全く関係がないと思うけれど、ダイアリーが自分の文字で埋まって、しかもきれいに書くことができればとても気分が良くて、満足感の中で幸せな睡眠をとることができる。
手帳の出来と睡眠は、私には大きな関係があると思っていますが、それ以前に仕事に身が入っていることと、睡眠とが関係があるのかもしれません。

9月にオリジナルのリスシオダイアリーが完成して、毎年使って下さっている方々や興味を持って下さっている方々が来てくれたり、インターネットで注文してくれたりしています。
自分たちが企画して、売っているものに共感して、買ってもらえることは本当に有難く思えて、当たり前ですが、私はこのダイアリーを使う最後の人になっているだろうと思います。
自分で使っていて改良を少しずつ続けていきたいと思っていて、それはいつまでも完成しない、変化し続けるものになると思っています。

六甲アイランドの鞄工房ル・ボナーさんが製作してくれたオリジナルダイアリー用のカバーが出来上がりました。
携帯に向くシングルタイプはマンスリーダイアリーとウィーウリーダイアリーを入れるイメージですが、もちろんマンスリーダイアリーとノートやデイリーダイアリーと組み合わせてもいいと思います。

ダブルは1冊で仕事の全てを記入したいというものです。
その1冊を打ち合わせや会議に持って行って仕事ができる。スケジュール機能とメモ/ノートのドキュメント機能を一緒にすることができるのがこのダブルタイプです。
革質とカラーバリエーションは抑えた色で、実用性を重視したものになっています。
シュランケンカーフはカーフならではの柔らかい手触りですが、シュリンク加工により傷が付きにくい丈夫な革で、ル・ボナーさんは鞄でもこの革をよく使います。

キャメルのみノブレッサーカーフを使用しています。
ノブレッサーカーフは艶と張りのある革で、いつまでも最初の状態を保ちきれいに使うことができる。インクなどが付いてもすぐに拭けば取り除くことができます。
昨年はわずかな数しか作ることができず、お客様にご迷惑をかけてしまいましたが、今年はル・ボナーの松本さんのおかげでたくさん作ることができました。
年頭に、今年一番作りたいものを自問自答してダイアリーカバーを作りたいと思いました。
個人的にも思い入れがある、ル・ボナーさん、分度器ドットコムさん、当店のロゴが入った共同企画品。

私好みの渋めの色展開ですが、こういうものが大人には一番使いやすい。
派手ではないけれど、いつまでも傍らにあって欲しいものができたと思っています。

⇒オリジナルダイアリー

ラミーの良心

ラミーの良心
ラミーの良心

万年筆は値段が高くなるほどどこか良いところがあって、高いものと安いもので購入を迷った時は、予算に問題がなければ高い方を買うべきだと私は信じています。
その時財布は苦しくなって、お昼ご飯を抜いたりしなければいけない事態になったりする人もいるかもしれないけれど、値段にそれなりの理由があるから万年筆は安心して買うことができるのだと思います。

それは他のどんなものでもそうだと思いますし、商品を提供する側はその辺りをきっちりと守る義務があるのではないかと最近強く思います。
その物の価値に値段が見合っていれば、お客様はその物を買って下さるし、高いと思うとその物は売れる数が少なくなります。
万年筆はペン先の仕上げ以外は人の手を借りずに大量生産品として作ることができて、たくさん作るほど値段が安くなる。
そしてハンドメイドにこだわれば生産数も少なくなり、1つずつの値段が高くなる。
イタリアの万年筆の値段が、ドイツの万年筆に比べて高いのは、もちろん値付けセンスの違いもあると思いますが、作る数が大きく関係していると思っています。
たくさん作ってたくさんの人に使ってもらうことを前提にしているドイツのものと、あまり数は作らず、大胆なデザインを採用するイタリアのものとは狙っているターゲットの人の数が全く違う。
その辺りに気を回すと、イタリアのペンが高いことに腹が立たなくなりませんか?

ラミーは最もドイツらしい物作りを体現しているメーカーのひとつだと思います。
1本ずつの値段をなるべく抑えて、多くの人に機能とデザインの優れた万年筆を使ってもらおうとするラミーの物作りの考え方は、本当に立派だと思います。
あまり予算はないけれど万年筆を使いたいと考えている人には、私は迷わずラミーを勧めて、その考え方も知ってもらいたいと思っています。

ラミーの最も代表的な万年筆は2000だと、誰もが認めるところだと思います。
1966年に、2000年まで通用する万年筆を目指して発売された2000は、ラミーの価格についての考え方もすでに込められていて、14金のペン先で吸入式でありながら破格の24150円という価格を維持している。

もちろんその価格で売るために安く仕上げているところもありますが、万年筆の世界の少しでも良いもの、満足感をより高めたいという考え方が一般的で、価格上昇がついて回ることに逆行する考え方にも好感を持ちます。

艶を消したボディにはラミーのマークはどこにも入っていなくて、ペン先も他の万年筆と比べると極端に小さい。
写真で見るだけではコンパクトに見えるラミー2000ですが、手に取って書いてみると、握り応えのある太目のボディの、本格的な万年筆であることが分かります。
私はラミー2000は、ペリカンM800・モンブラン146・149にも対抗できる万年筆なのではないか、ラミーがその良心に基づいて作った万年筆の中の万年筆が2000なのでは、とさえ思うのです。

⇒LAMY 2000

一本だけというわけにはいかない万年筆の使い分け

一本だけというわけにはいかない万年筆の使い分け
一本だけというわけにはいかない万年筆の使い分け

恩師に手紙を書く時も、仕事について考える時も、立ったまま手帳に書き込む時も、1日を振り返ってコーヒーでも飲みながら日記帳に向かう時も1本の万年筆だけでこなすことがかっこいいのではないかと、万年筆屋をしていても未だに思います。

そんな万年筆はまさに生涯の友であり、その人にとって代え難いものだと思います。
生涯の友に相応しい万年筆だと私がイメージするのは今の心境ではペリカンM1000です。
手帳も書かないといけないので、ペン先はEFを選択します。
ペリカンM1000はペン先が極端に柔らかいので、筆圧を抜いて手帳に書く、強弱をつけて手紙を書くという使い方ができます。
シガーのように太くて長いペリカンM1000をシガーケース型ペンケースSOLOに入れて持ち歩く。
そんなふうに万年筆と付き合うことに憧れます。

でも10数本を用途に応じて使い分けているのが現実で、それぞれに出番があることを思うと、私は1本だけを使い続けることができる人間ではないようです。
数多くある万年筆をいろんなカテゴリーに分類できますが、私は大きく二種類に分けることができると、自分の使い方から勝手に思っています。

ひとつは25g以上の重量がある大型と言えるレギュラーサイズ以上の万年筆と、それ以下の重さのコンパクトな万年筆。
そのままでは単なる大きさの違いによる分類ですが、その違いは万年筆の使い方、使用感を左右する重大なものであると言うと少し大袈裟ですが、万年筆を選ぶときに考慮してもいいことだと思っています。

手紙や原稿用紙を書く時に使いたくなる万年筆と、メモ帳やノートに使う万年筆とはいつの間にか使い分けしていて、例えばいつもメモ書きに使っているペリカンM450を手紙に使うと何か座りが悪いような、文字が軽いような気がしたり、ノートにいつも手紙で使っているペリカンM800を使ってみると持て余すような感覚にとらわれることがあります。

それは他の人の共感を得られるかどうかは分らないけれど、単純に大きさが違うだけではない、と思うようになりました。
ペリカンM800は大きくて重量があるので、机に向かって長時間書き物をするのに向いていて、M400はコンパクトなので、胸ポケットに差して携帯するのに向いているという説明を今までお客様にしてきました。
用途としてそれは間違っていないと思っていますが、その理由はもっと深いところにあるのではないかと思います。

M800やパイロットカスタム845など大きな万年筆・レギュラーサイズの万年筆は重量があって、手の力を抜いて、その重さで書くようにするととても楽に書くことができます。
重量があるので力を入れなくてもインクがよく出てくれて、より滑らかに書くことができる。
大型の万年筆が長時間筆記しても手が疲れない机上用の万年筆だと言われるのは、このあたりにあります。

それに対して小型で軽い筆記具、M400やM600は机に向かわなくても扱いやすい、極端に言うと立ったままでも使いやすい。
その筆記具の重さに任せて文字を書かない人、身近なところで言うと万年筆でも毛筆のように腕で文字を書くような人にはこの軽い万年筆の方が向いているのかもしれません。

レギュラーサイズの万年筆は便箋や原稿用紙に、小型の万年筆をノートやメモ帳に使いたくなるのは、そのインク出も関係があるのかもしれません。
便箋や原稿用紙は表面だけの筆記なので、裏写りなど気にしなくても問題ないですが、ノートは裏面にも筆記するため、あまりインクが出すぎる万年筆は向いていません。そのため直感的にインク出が多くないものを選んでいるのかもしれません。
レギュラーサイズの万年筆としてはペリカンM800、M1000、パイロットカスタム743、823、アウロラマーレイオニア、デルタドルチェビータ、ビスコンティ、オマスミロード、パラゴンなどなど、昨今の万年筆の中心はこの辺りにあるようです。

ノートやメモに合った万年筆はペリカンM400、M600、パーカーソネット、国産の1万円クラスなど、こちらは実用品的で簡素だけど渋い存在のもの。
アウロラオプティマや88、セーラープロフィット21、パイロットカスタムヘリテイジ912など国産2万円クラスはそのどちらにも分類していませんが、どちらでも使う人の采配で役目を与えることができるものだと思います。
私はアウロラ88クラシックはインク出の多さから、机上用に役目を与えています。

皆様それぞれが、それぞれの万年筆に与える役割はこれにとらわれる必要はもちろんありませんが、万年筆選びのご参考にしていただければと思います。

WRITING LAB.オリジナルノートとB6ダイアリー・ノートカバー

WRITING LAB.オリジナルノートとB6ダイアリー・ノートカバー
WRITING LAB.オリジナルノートとB6ダイアリー・ノートカバー

WRITING LAB.のノート&ダイアリーのサイズをB6に定めました。

手帳サイズでは小さすぎるし、A5サイズでは大きすぎる。
手に持った時のバランスで、B6サイズほどかっこいいサイズはないとファッション的な理由からB6サイズをブランドのサイズとしましたが、その決定の仕方はWRITING LAB.的だと思い満足しています。

持っているところがかっこよく見えるサイズだと思うと、何よりも魅力的に感じられる、自分の中の二重人格に気付きました。
でも万年筆で書く時、手帳では小さすぎると思った人にはぜひ目を向けて欲しいサイズがB6サイズです。

以前はそれほど定番ではなく特殊なサイズでしたが、最近はB6サイズのノート・ダイアリーは多くの種類が発売されていて、どのお店のダイアリー売場でも大きなスペースをとって、B6サイズを揃えています。
当店ではB6サイズのダイアリーとして、ユナイテッドビーズというメーカーのものを多くの中から厳選してご提案させていただいています。
シンプルさと書きたいと思わせる雰囲気が適度なバランスで融合しているとても工夫されている罫線レイアウトだと思っています。

9月20日のこのコーナーでもご案内していますが、WRITING LAB.で企画して、神戸の革職人ベラゴの牛尾龍氏が製作したB6サイズの本革カバー新たに発売していますが、そのカバーでは市販されているノート・ダイアリーをメインでお使いいただき、そのサブノートとしてWRITING LAB.オリジナルノートを使っていただきたいと思いました。

サブノートとして、メインのノートと一緒に差し込むことができるように、表紙を1cm幅狭くしています。
かなり薄手のノートですが、このノートの使い方についてもWRITING LAB.としてのこだわりがあります。
ノートの使い方について小学校で教えられたことが私は最高の教えだといまだに思っています。
それは教科ごとにノートを使い分けるというもので、そうすることによって最適な罫線のノートをそれぞれの科目で使うことができるし、その科目がない時は学校に持っていく必要はないので、荷物を軽くすることができます。
それに書いた内容がどこに書いたのか分からなくなる、書いたもの散逸を防ぐ役割もあります。
このノートは、この小学校の時のノートの使い方を仕事においても生かしたいと思いました。

本文は私たちが入念に試書きして決定したOKプリンス、表紙は独特風合いを持ったファーストビンテージを使用していて、これらの紙にたどり着くことができたのは、豊富な紙の知識を持つ大和出版印刷の川崎さんの協力に依るものでした。

このノートからライティングラボのマークを新しくしていて、後ろ表紙中央にライティングラボのブログに登場するキャラクターであるトロンコとボンクがいます。
表表紙のフレームは地図上で鉄道の路線を表す線をイメージした時計の文字盤にもよく使われる線をフレームとして、アナログでのんびりとした雰囲気を出すようにしています。
WRITING LAB.のノートとして、ほんの1歩踏み出したばかりですが、ブランドのサイズをB6と定めたこと、オリジナルノートを発売したことは今後の展開において大きな意味があったと思っています。

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