カンダミサコA5ノートカバー(Pen and message.オリジナル仕様)

カンダミサコA5ノートカバー(Pen and message.オリジナル仕様)
カンダミサコA5ノートカバー(Pen and message.オリジナル仕様)

本当に良いノートカバーができたと思いました。
表はシボのあるシュランケンカーフ、内側は手触りの良いブッテーロ革で、とことんこだわった妥協のないものになっていて、皆様にお伝えでき喜びを感じています。
ただノートをカバーするだけのものだけど、素材にこだわって、丁寧に作られたものがこんなに美しいカーブを持ち、程よい重みと張りによる使う喜びを演出してくれるものかと、気付かされた一品です。

シュランケンカーフは、キメが細かく柔らかいカーフを薬品で縮れさせることで、緊密なシボのある硬めの傷に強い革に加工したもので、長く美しく使うことができながら、その使用に馴染んでくれる素材です。
内側のブッテーロは返しをサイズいっぱいにとって、前後ろの両表紙をしっかりさせる下敷き的な役割を持たせて筆記しやすくしています。

このしっかりした表紙の恩恵は思った以上に大きく、立ったままなど不安定な状態はもちろん効果を発揮しますが、机に向かっている時でも書きやすさを感じていただけると思います。
ペンホルダーやベルトなど、カバーを作る時に装備したくなる特長となるものを排したことで、そのカバーして書くという基本性能の高さとそのものの良さが強調されています。
良いものはやはり、シンプルであるということが絶対的な条件なのだと思いました。

このA5サイズノートカバーはカンダミサコさんがもともと作っていたものですが、その形をシュランケンカーフにした当店オリジナル仕様になっています。

厚手のノート、ライフのノーブルノートを収めるために作られたものですが、エイ出版が理想のノートを追究したSOLAシリーズの紙表紙のノートとダイアリーも収納することができます。
こういった革製品はバラバラの色や素材で持つよりも、トータルで揃えたものを持ちたい。少しずつ揃えていく喜びがある方が楽しいと私は思っているので、当店オリジナルペンレスト兼用万年筆ケース、A7メモカバーと同色、同素材にしています。

ペンレスト兼用万年筆ケースは、当店スタッフ久保が手製で作って自分で使っていたものがそのまま形で商品化したものですが、本当に多くの方に愛用していただいています。
机上で使う時は、フタをペンの枕のようにしてすぐ取り出せる状態にでき、持ち運ぶ時はフタを閉じてペンを保護しながら脱落も防止できるという二通りの使い方ができます。
万年筆を使われている方々の実際の使用に合った便利なものということで、ご愛用いただいているのだと思っています。

A7メモカバーは、多くがちょっとした言葉の断片だったり、一言だけだったりするアイデアの素であるメモをスマートにとれる、ポケットにコンパクトに収めることができるもので、コクヨなどのA7サイズのメモ帳を収めることができます。
発色の良い色もラインナップに加えていますが、あえて黒にこだわって革の表情を唯一の模様としたところに、このシリーズの実用を追究したものの、誇りある選択を感じていただければ嬉しく思います。

*初回発注数があまりにも少なかったため、受注製作ということになり、カンダさんの製作日程との都合でお渡しが2月以降になっています。
誠に申し訳ないのですが、ご予約で承りますのでメールでお申し付け下さい。
どうぞよろしくお願い致します。

⇒A5ノートカバー(Pen and message.オリジナル仕様)
⇒A7メモカバー(Pen and message.オリジナル仕様)
⇒ペンレスト兼用万年筆ケース

WRITING LAB.革製インクケース「CADDY(キャディ)」発売

WRITING LAB.革製インクケース「CADDY(キャディ)」発売
WRITING LAB.革製インクケース「CADDY(キャディ)」発売

こういうものを作ってみたいと思っていました。

ライティングラボで、イル・クアドリフォリオに依頼していたインクケースが出来上がりました。
昨年末のシガーケース型ペンケースSOLOについてライティングラボとイル・クアドリフォリオの久内さんご夫妻と話し始めた時には、インクケースのアイデアは生まれていたので、何度か奥様の夕夏さんが試作品を作ってくれていました。

このインクケース作り込みの途中で、久内さんご夫妻はボローニャに革の買い付けに行かれたのですが、そのイタリア行きが、インクケースの完成においてとても重要だったことが、お二人の話から分かりました。

たまに更新される久内さんたちのフェイスブックやブログ
http://ilquadrifoglio.blog53.fc2.com/ では、カフェでポーズを決める、私は外見も中身もほとんどイタリア人だと思う久内さんの様子ばかりを見ていましたが、実はしっかりフィレンツェの師匠の元もお二人は訪ねていて、夕夏さんはペンケースSOLOやインクケースの試作を見てもらって、アドバイスを受けて来られたのです。

そして、お二人がイタリアから帰ってくると、最終の試作から飛躍的な進歩をとげた完成度の高いインクケースが出来上がっていました。
なくても全く困らないものだからこそ、完成度を追究して、美しいものを作って欲しいと思っていました。
爆発的に売れるものではないかもしれないけれど、これは自信を持ってお勧めできるものだと誇らしく思っています。
中に入れるインクは、当店オリジナルインクやWRITING LAB.オリジナルインク クアドリフォリオなどです。

クアドリフォリオのインクの名前を決めた時は、その場に久内さんたちもおられて、お二人を含めた全員一致でこの名前に決まりました。
イタリア行きで久内さんたちは、仕事の意欲をさらに高めてきたようで、作ってみたいと思うものもたくさんイメージすることができたそうです。

資金がなくなるまで革や金具、道具を買い込むことができたイタリア旅行は、久内さんご夫妻とベラゴの牛尾さん、有名靴職人のSさんという4人での旅で、かなりハードスケジュールだったそうです。

2年前にル・ボナーの松本さん、分度器ドットコムの谷本さんとともに行ったヨーロッパ旅行のように、疲れても楽しい旅行だったと想像しています。

知り合って1年になり、久内さんたちのことが少しは理解できてきた、久内さんと夕夏さんの面白さがやっと分かってきたような気がしています。

久内さんはずっと何か気の利いたことを話していて、頭がいつもフルパワーで回転している。それに対して、夕夏さんはとても無口で、何か内に秘めているようなミステリアスな印象を受けます。
でも実はそれほどシリアスなことを考えている訳ではない息抜きの名人で、私と同じ人種。
そんなお二人の作る物をまだまだ揃えたいと思っています。

私が久内さんにオーダーした靴も仕上がってきて、これから履き込んで久内さんに報告して、靴作りに役立てていただきたいし、私の2足目を作っていただけることがあればそれにも役立ててより完璧なものを目指したい。
お二人と当店、そしてWRITING LAB.とのお付き合いはまだまだ続きます。

⇒WRITING LAB.革製インクケース「CADDY」

大和出版印刷「orissi (オリッシィ)」 発売

大和出版印刷「orissi (オリッシィ)」 発売
大和出版印刷「orissi (オリッシィ)」 発売

ドップリとその世界の中にいると、一方向からしか物事を見なくなってしまい固定観念に囚われてしまうことは、今まで何度も経験してきました。

でも意識的に見方を変えるようにしても、それにはなかなか訓練が必要なことだと常々思っています。
私たちに与えられた材料は限られていて、それを同じ切り口から切っているとマンネリ化してくる。
でも同じ素材でも切り口を変えると新しいものになる、それが今回新しく大和出版印刷が神戸派計画というブランド名で発売したメモ帳「orissi」(オリッシィ)を見て改めて思いました。

orissiは買い物メモに特化したメモ帳です。
その特長は見てお分かりいただけるようにページ左側のギザギザです。
このギザギザは罫線の高さと合わせてあって、書いたリストのものを買い物カゴに入れたら(購入したら)、ペンで消しこんでいくのではなく、左の山を折っていく。
出先でペンを持っていなくても、印をつけることができるという、たいていはペンを持っている私たちには思いつかないアイデアが込められています。

万年筆店を営む者として、いかに多くの人に万年筆を使っていただこうかと日頃考えていますので、こういうペンがないことが前提のものは絶対に思いつきません。
でも実際、買い物に出た時にペンを持っていることはもしかしたら少ないのかもしれません。
メモ帳を仕事で使うことばかり考えてきましたが、もっと日常に使えるものも必要だと思います。また、万年筆を愛用されている旦那さんがペンに興味のない奥様にお土産で買って帰っていただけるものが当店にあってもいいと思っていましたので、当店のお客様とはターゲットが全く違うけれど、この orissi とても面白い思っています。

万年筆でとても書きやすいリスシオ・ワン紙を使用した製品を発売して、紙製品メーカーとして名前が知れ渡り始めた大和出版印刷が、メーカーとしてさらなる魅力作りを図ってデザイナー菅原仁氏に協力を仰ぎ、生まれたのが「神戸派計画」というブランドです。

先に発売されたリスシオ・ワン紙を使用した実験的な試みの白罫線のノート「CIRO」に続いて発売されたのが、これも実験的な試みだと思うけれど、ペンを持ち歩かない人がターゲットになっている「orissi」。

常に前に進むことを考える大和出版印刷の姿勢が現れている企画で、私個人としては、切り口を変えて考えることを改めて思い出させてくるれものだと思いました。

⇒神戸派計画「折ってチェックするメモorissi(オリッシィ)」

River Mail マンスリーダイアリーカバー ~ISHIBE KOJI~

River Mail マンスリーダイアリーカバー ~ISHIBE KOJI~
River Mail マンスリーダイアリーカバー ~ISHIBE KOJI~

仕事の方法を選択する時に、感覚的に好きな方を選びたいけれどそれはあくまでも感覚的なものだから、それを選択する理由を人に上手に説明できない。
理論的だったり、数字の裏付けがあったりの常識的な正論に対して、こちらの方が好きだからということを言い出せずにいました。

それはあまりにも子供っぽい、幼稚な思考だと自分の中の常識的な部分がブレーキをかけていたのだと思います。
でも中年と言われる年齢になって、面の皮が厚くなったのかもしれないけれど、好きだからという感覚的決断でも堂々としていようと思えるようになりました。
理論的に正しかったり、数字的な裏付けがあったとしても、そんな選択は誰もがすることだし、そのロジックが自分たちに当てはまるとは限らない。
それなら自分の感覚で判断した方が、失敗しても後悔しないのではないかと思います。

京都山科のRiver Mailの駒村氏と一緒にWRITING LAB.を始めたのもそんなただ一緒に何かしたいと思ったからという、まるで友達付き合いの始まりのような感じでした。
二人が組む理由を営業的なメリットやインディアンジュエリーとステーショナリーの融合などと説明をつけようと一応は努力はしたけれど、何か白々しい感じがする。
何せ始まりは「何となく合いそうだった」というものだったので。
今はそれも堂々と言えるけれど、始めたばかりの頃は何かお客様に説明しないといけないのではないかと思ったりしていたのです。

駒村氏は、当店、分度器ドットコム、大和出版印刷が共同で企画したオリジナルリスシオワンマンスリーダイアリーをWRITING LAB.の革封筒の中に薄いダイアリーを書類と一緒に入れたり、ベルルッティのブリーフケースに入れたり、ボロボロの手提げ紙袋に入れて使っています。

本当はウィークリーダイアリーやデイリーダイアリー、全てを使っていただきたいけれど、マンスリーダイアリーだけを愛用されている方は、多いと思っています。
あの薄さは荷物にならなくてとてもいいし、紙面のサイズはそれなりに大きく、薄さに対しての情報量が多いのです。
予定をチェックする時に見開き1か月のカレンダータイプはとても便利だと思います。
マンスリーダイアリーの愛用者の駒村氏が、自分が使いたいという理由でベラゴの牛尾さんに依頼して完成したのが、リスシオワンマンスリーダイアリー専用カバー ISHIBE KOJI です。

石塀小路は、京都高台寺近くのとてもきれいに整えられた雰囲気のある小道で、この京都らしい家並み、石畳の石塀小路はとても京都らしい場所だと思います。

ベラゴ牛尾さんがとても手間がかかると嫌がったダブルステッチ、薄く表情が出る程度に留められたパティーヌ技法による色付けなど、とても上品なものに仕上がっていて、アパレルの業界に身を置いてきた駒村氏のセンスと、もともと繊細で美しい作品を作ってきた牛尾さんの技術が融合した、ぜひ使ってみたいと思わせてくれるものになっています。

マンスリーダイアリーを愛用してくださっている方のためのカバー ISHIBE KOJI、私の企画ではないけれど私も誇りに思っているカバーに仕上がっています。

⇒Liscio-1 マンスリーダイアリー2013

木の効用 セーラー銘木シリーズとオマスコイーバ

木の効用 セーラー銘木シリーズとオマスコイーバ
木の効用 セーラー銘木シリーズとオマスコイーバ

様々な考え方があると思いますが、万年筆と人との関わりを、仕事道具と趣味的な遊びの道具と生き様を反映するものという3つに分けて私は考えています。
人それぞれ万年筆に求めるものが違っていて、だから選ばれる万年筆が違ってくる。
木の万年筆は趣味的な遊びの道具だと思っています。
それは磨いて艶を出す楽しみをまず第一に思い描くからです。
最初はなかなか光らないけれど、我慢して磨き込むうちに少しずつ艶が出てきて、気が付くとピカピカになっている。

もちろん実用的な効用も木のボディにはあります。
寒くなってくると、万年筆のインク出が多くなってきたとか、キャップの中にインクがついているという相談を受けることが多くなります。
冷たい外気の中にあった万年筆が温かい室内に入った時にインクタンクの中の空気が温まり、膨張してインクを押し出そうとします。
現代の万年筆のペン芯は、その溢れそうになるインクを受け止めるようになっていますが、どうしてもインクの出は多くなってしまいます。

また持ち運び時のショックで、空気膨張によってペン芯に溜まったインクがキャップ内に落ちてしまうこともあります。
一番多い万年筆のボディの素材、アクリルやプラスチックは熱を伝えやすいのは否めず、エボナイトや木は熱伝導率が低く、万年筆内の温度が変わりにくいと言われています。
セーラーの伝統のある万年筆のシリーズ、銘木シリーズがこの時期に復活したのは、木の温かみを冬の方が感じやすいということもあると思いますが、冬のインク出量の変化対策に木のボディが有効だということも理解してのタイミングなのだと思っています。

この万年筆の用途は、細字のみの設定、勘合式のパッチンキャップ、小型のボディなどから手帳やメモに書くための万年筆。
ポケットにいつも差していて、一番手が触れる機会の多いペンを使うほどに味わいの出る木で作りたいというセーラーの意図があります。
旧銘木シリーズは中字のみのペン先、大きく重ため(28g)のボディで、ゆったりと机に向かって書くイメージだったので、万年筆が一番よく使われるシーンの時代による変化に合わせたコンセプトの変更です。

木の万年筆は趣味的な遊び道具と申し上げましたが、銘木シリーズは趣味的な部分とポケットに差して、メモなどの使い易いという仕事道具としての機能性を兼ね備えたものになっています。
オマスコイーバは、最近では見られなくなってしまった遊び心のある面白い限定万年筆で、こういうものが久し振りに発売されたと、個人的にはとても喜んでいます。

面白い木目のボディはジリコテウッドで、その色合い、サイズもコロナサイズの葉巻そのものです。
ジリコテウッドのボディとバーメイル(スターリングシルバーに金張り)の金属部を持つボディは遊び心に溢れていますが、箱も凝っています。
葉巻のヒュミドール(保管庫)として使うことができるように、湿度計が内蔵されていて、鍵までついています。
この万年筆は間違いなく趣味的な遊びの要素を持った万年筆だと言えますが、イタリアの万年筆にはそのような余暇を楽しむような、仕事から離れたところで使うような万年筆、仕事中であっても遊び心を忘れないようなものが多く存在します。
イタリア製の万年筆に、多くの人がそれを期待したからだと思いますが、きっとイタリア人のライフスタイルが反映されたものなのではないかと思っています。
長い昼休み仕事場から家に帰って食事の後何か書き物をする時、週末日本のようなレジャー施設のないイタリアでは家で過ごす時間も長く、そういった時間をより楽しむためのもの。
そのようなイタリアでの生活も思い描くことができるのが、イタリア製の限定万年筆で、オマスコイーバはその期待に応えた万年筆です。
どちらの万年筆もそれぞれのメーカー、社運を賭けた勝負に出たものだと思うけれど、万年筆の世界を遊び心のあるものにしたいという願いがこもったものであるような気がして仕方ありません。

⇒限定生産品 コイーバ・リミテッドエディション・バイ・オマス